物語の主人公は、私──八巻 栞奈が歩んだリアルストーリー

interview

「死にかけたことも、家出したことも、不登校だったことも、全部が“今の私”をつくったピースなんです」

そう語るのは、株式会社やまとなでしこ代表・八巻 栞奈(やまき かんな)さん。
小学生から非行に走り、高校時代には内臓破裂の大事故。夜逃げ、夜職、借金、裏切り、シングルマザー…──。
“壮絶”なんて言葉でも追いつかない人生の中で、それでも彼女は「生きること」を諦めなかった。

「恩返しがしたい」「幸せを届けたい」「人生を“物語”にしたい」
そんな想いを胸に、今では東京・六本木でエステを立ち上げ、経営。
“強く、優しく、美しく”を掲げる『やまとなでしこ』の社長として、人生そのものを表現している。

本記事では、そんな彼女の人生を振り返りながら、八巻 栞奈という人間の“芯”に触れていく。

居場所を探した少女時代

両親の離婚は、小学2年生の頃。
自営業で忙しい父に代わって、まだ幼い弟や妹の面倒を見る日々が始まった。

「寂しかったし、自分のことを見てほしかったんだと思います」

その気持ちは、反抗という形で表れた。
学校はサボりがち。無理やり連れて行かれても脱走。継母との関係も悪く、家にも居場所はなかった。

そんな中でも、唯一の支えが“友達”だった。
「周りに恵まれてました。だからこそ、高校には行こうって思えたんです」

第一志望には落ちたが、父のためにと二次募集で地元の商業高校へ進学。
居場所を探しながらも、小さな一歩を踏み出していた。

16歳、死の淵と夜逃げ

高校1年の夏、実母の失踪を知らされた。
生きているのかすら分からない。戸惑いとやり場のない喪失感だけが残った。

今も実母は、彼女に子どもがいることすら知らない──胸を張って今の自分を語れるように。彼女はそう願いながら前を向いている。

その数ヶ月後、バイク事故で内臓が破裂。
脾臓と膵臓を摘出するほどの重傷で、命を落としていてもおかしくなかった。

「身体が動かなくなって、意識が遠のいて。気づいたときはICUでした」

その出来事をきっかけに、彼女の生活は大きく変化していく。
退院してすぐ、夜逃げのように実家を離れ、通信制高校へ転校。

昼はアパレル、夜はキャバクラ。
学業よりも、まずは生活のために働くことが最優先だった。

生活は荒れ、体も心も限界だった。
ネイルスクールに通い始めたものの、体調を崩して働けず、借金が増えていった。

「お金がなくて、家のものを全部売って。日雇いで冷凍倉庫に入った夜もありました」

誰にも頼れず、情けなさと悔しさで押し潰されそうな日々。
それでも地元の友人たちや、祖母のもとで少しずつ体調を整え、ようやく立ち止まれる場所を見つけた。

あのとき、誰にも見せられないほどボロボロだった。
それでも、彼女は生きることから目を背けなかった。

夢をくれた“美容”との出会い

体調が回復した彼女は、地元で再び働き始めた。
社会保険労務士事務所への就職を経て、福利厚生の安定を求め、キャノン工場の半導体事業部に転職し、平日は事務職、週末はキャバクラでの仕事を並行していた。

「若いうちに、いろんな価値観に触れてみたくて。好きなものを手に入れたいという気持ちもありました」と当時を振り返る。

しかし、仕事に追われるだけの日々に違和感を抱き始める。
社内研修で「10年後の自分を想像してみてください」と言われても、まったくイメージが湧かなかった。

そんなとき、偶然訪れた麻布十番のエステサロンで、運命的な出会いがあった。
店長を務めていたのが、現在“恩師”と慕う方だった。

“この人についていきたい”

そう強く思った八巻さんは、過去の安定や迷いをすべて断ち切るように会社を辞め、誰にも相談せず東京へと向かった。
その選択の背景には、「運と縁とタイミング」を信じる彼女ならではの感覚があったという。

恩師との出会い、出産、すべて人生の流れの中で必然と訪れたものだったのかもしれない。

「思い通りにいかないことも多かったけど、それでも出会うべき人や出来事には、ちゃんと出会えてきた。運と縁とタイミングって、やっぱりあるんだなって思います」

と八巻さんは語る。

すべてを失った彼女が、EiGHTiESTを生み出した理由

25歳の2月。強く自立を想った出来事が。

信じていた人からの裏切り。人間関係の崩壊、精神的ショック。
「何も食べられず、涙が止まらなかった」と語るように、心も体も限界に近かった。

神経性の腸炎や膵炎を併発し、腹痛・吐き気・腰痛が続く日々。
外出もままならず、地元の友人に保護されながら、長く帰らなかった実家で療養を続けた。

時間だけが過ぎていく2ヶ月間。
その中で、八巻さんは初めて“自分の人生そのもの”と向き合うことになる。

「私にできることは何か。誰かの役に立てることはあるのか」

悩み抜いた末にたどり着いたのが、
“自立して、周りに恩返しをする”という答えだった。

──良い行いは、必ず良い形で巡ってくる。そう思えるようになったのは、過去に“因果応報”という言葉の意味を、身をもって経験したからかもしれません──
だからこそ今は、「与える人」であることに誇りを持って生きている。

その想いを形にしたのが、
エステブランド『EiGHTiEST(エイティスト)』。
「あなたの無限の可能性を、なりたいその先の幸せへ導く」──そんな意味が込められている。

単に外見を磨くではなく、内面の美、心の在り方に寄り添い、
“おもてなし”の心を持って、一人ひとりと向き合うサロンでありたい。

静かな覚悟が、着実に形となっていった。

25歳、夜の世界を卒業し社長になる

「死ぬかと思いました、本当に」

取材中、八巻さんが笑いながらも何度か口にしていたこの言葉は、決して冗談ではなかった。

美容の道に進むと決めてから、すべてを自力で立ち上げた。
『EiGHTiEST(エイティスト)』
“無限の可能性”という意味を込めたその名の通り、走り続けた日々だった。

起業準備期間は、夜職との掛け持ち。
日中はエステ、夜はキャバクラ。
「私には今やるべき事がある。遊びなんてしてる場合じゃなかったです。全部、サロンに注ぎ込みました」

開業準備では、融資に落ちたこともあった。
それでも諦めなかった。

深夜まで作業を続け、時には体調を崩すほど追い込まれた。
誰に頼るでもなく、ひとりで向き合う時間は、決して綺麗事では済まされない。

それでも──

「ここで辞めたら、自分に負ける気がしたんです」
そんな言葉が返ってきた。

2022年10月、25歳の誕生日。
長く続けていた夜の仕事を卒業し、
11月6日──念願のエステサロンを個人事業としてオープン(開業)した。

“社長になった”という実感よりも、
「ようやく、立てたな」という安堵の方が大きかったのかもしれない。

何度も壁にぶつかりながらも、最後は“気合い”で突破してきた。
冷静さや理論だけではなく、その一瞬の踏ん張りが人生を切り開いてきたのだ。

頼れる人もいない中で、何度も気持ちが折れかけた。
その時のことを、八巻さんは

「逃げたかった日もある。でも、“やるって決めたんだからやりきる”。それを支えてたのは、もう気合いしかなかったと思います」

と振り返る。

母として、社長として。覚悟のその先へ

「この命を迎え入れる覚悟は、最初から決まっていました」
そう話す八巻さんの表情は、どこか穏やかで、それでいて揺るぎがなかった。

EiGHTiESTとしての経営がようやく軌道に乗りはじめた頃、彼女は新たな命を授かる。
喜びとともに感じたのは、未経験なステージへの不安や経営との両立に対する葛藤、そして心細さ。眠れぬ夜もあったという。

それでも彼女は、迷わなかった。
守りたい存在ができた――その事実が、彼女の中にさらなる“覚悟”を生んだ。

かつて、自分らしさを失い、笑顔も消え、心も体も限界に近づいていた時期があった。
大切な人と過ごした日々はたしかにあったが、気づけば自分の尊厳すら感じられなくなっていたという。

「もう一度、自分の人生を取り戻そう」
そう心に決めた八巻さんは、“法人化”という大きな決断を下す。
それは、単なる事業の拡大ではなく、“この道で生きていく”という強い決意の表れだった。

これまでに経験した深い挫折や傷つきは、彼女の中に“人の痛みや孤独を想像する力”を育てた。
その視点は、美容の枠を超えて、社会課題や地域貢献への想いにもつながっていく。

「強く、優しく、美しく」
── やまとなでしこの理念は、ただのキャッチコピーではない。
それは、八巻さんが命がけで乗り越えてきた人生そのものだ。

「私が歩いてこれたように、
 あなたにも“あなたらしさ”を取り戻せる場所は、必ずある」

その信念が、“母として” “経営者として” の彼女の原動力となっている。

やまとなでしこに込めた想い

会社名は「株式会社やまとなでしこ」。
“強く、優しく、美しく”──その理想像を、八巻さんは自ら体現しようとしている。

過去は変えられない。
けれど、全てに意味があり、物語にはできる。
そう語る彼女の言葉には、これまでの人生の重みが滲む。

今後は美容事業だけでなく、
女性の自立を後押しするスクール事業や育成にも力を入れる予定だという。

“誰かの一歩を支えられる存在になりたい”

そんな想いが、活動の原点になっている。

実際に現在はシングルマザーとして、子育てと事業を両立しながら、
「自分らしく生きること」の難しさと尊さを誰よりも体感している。

日本文化の発信や地方創生、社会課題の解決──
そんな“ソーシャルビジネス”としての展開も、彼女のビジョンの中にすでに根づいており、今後の軸のひとつとして明確に描かれている。

「“誰かの希望になりたい”って、思うんです」

それはもはや目標ではなく、“使命”として、すでに行動の原動力となっている。

さらに彼女は、読者やこれから出会う人々に向けて、こんな言葉を残してくれた。

「女性たちが豊かで満たされ、喜び、輝く社会へ。私はその先頭を走り続けたい。
すべては、自分がいて成り立つ世界。だからこそ、自分次第でどうにでも変えられると思うんです。
一人でも多くの人に“出会えてよかった”と思ってもらえるような自分でありたい──それが私の生き様です。」

この発信は、ただの紹介記事ではない。
“覚悟を持って生きる人と出会いたい”──
それが、彼女の本音だ。

🕊️ 共感してくれたあなたへ

人生に正解はなくても、選択して挑戦し続けることはできる。

そう思わせてくれるのが、彼女の物語でした。

この先の発信が、あなたの背中を押すひとつのきっかけになれたら嬉しいです。

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@8iest_kanna(プライベート・想い発信)
@eightiest_roppongi(エステ事業)

▶ やまとなでしこ公式HP(近日公開予定)
8-yamatonadeshiko.com
*近日公開予定のため、リンク先でサイトが表示されないため予めご了承ください。
*宣伝のため、ご許可をいただき先んじて掲載しております。

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